桃色の雲

BoysLove本を含む読書感想日記。 感想日記はネタバレ全開です。 BoysLove・やおい・耽美等の語彙に反応しない方はご注意下さい。

ビューティフル・プア

榎田尤利 2008年 ビーボーイノベルズ(リブレ出版)

こちらとほぼ同時期に出た「菫の騎士」(大洋図書)も読んだけど、あたしはこっちが好きだなー。
まず稲荷家さんの華麗な表紙にうっとり。(H絵も素晴らしい!)
次に気品あるれる貴族さまにうっとり。(貧乏だけど。)
そして王道路線を突っ走る物語にうっとり。(笑いあり涙ありの感動のフィナーレ!←誇大広告(^^;)

架空の国(トリニティア)が舞台ですがこの名前は「菫の騎士」にも出てきます。
「ビューティ〜」が現代としたら「菫」はファンタジーだから名前だけがシンクロしているだけかも知れないけれどキャラ文庫の例もあるし、今後どうなるかは榎田さん次第でしょうか?

素直にBL好きの方だったらとても楽しめる内容です。
私はちょっと(かなり?)偏食型BL読者なのですが、それでも面白かった!
貧乏貴族様が身売りするという突拍子もない設定なんだけど、コメディとシリアスのバランスが良いですね。
謎解き要素もあるし、中だるみしない吸引力があります。
貴族貧富関係なく主人公の生き様には一本筋が通っていて男気を感じました。

ビューティフル・プア (B-BOY NOVELS)
榎田 尤利
4862633854

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華の闇

榎田尤利 2007年 SHY NOVELS(大洋図書)

舞台は明治初期の吉原。
仕事相手に連れられて吉原を訪ねた南条貴師(なんじょう たかし)はそこで4年前、自分の前から姿を消した少年(暁芳・あきよし)と再会する。しかし、彼はいまや吉原の奇蹟、唯一の男遊女になっていた・・・。

おお〜。
BL界に花魁ブーム到来か?!
アラブには馴染めなかったけど花魁にならついていけるか、あたし?

久々の榎田さんです。
色々な作家さんを読んで榎田さんに戻ってくると、この方のお話作りは起承転結がはっきりしていてお上手!と思うと同時に「愛と勇気と希望」みたいな青臭いベースが見えてくるんだ
よね。BLにそのような足場は必要なのか?これは個人の好みだけどあたしゃー時々鼻についてイヤーンなのよ(^^;)。

お話は暁芳の生い立ち、貴師との出会いと過去を振り返りながら進み、水揚げ間近になった暁芳に貴師は『ちょっと待った!!その役目、私にお任せを』と某子爵に異議を申し立てるんだけど・・・  
ここら辺は貴師の苦悩(実は貴師は遊女嫌い)があって、ぐっと物語に引き込まれましたね。養子に出された芳暁も虐めにあったりして可哀相なんだけど、あたしは攻男の『喰うか、喰わざるべきか』とHを目の前に悶える男心の葛藤が好きなんでそちらの方に目が行ってしまいました。
閨シーンでは昔の道具などが出てきてお勉強になりました。
もちろん遊郭の内部事情や花魁用語もお勉強になりましたとも!
下調べをしてきちんと書いた物語のようですから読んでいて安心感がありました。

華の闇
榎田 尤利 蓮川 愛
4813011497

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『権力の花』

榎田尤利 2005年 シャイノベルズ

次席検事を父に持つ思想検事・蔵持楓(28歳)は類い稀な美貌と優れた頭脳の
持ち主。順風満帆は人生を送っていましたが内実は大きく異なっていました。
ある日、取り調べの対象である大学教授・陣内幸也(32歳)からデートに誘われ
その後いやがらせのメールが届くようになり一抹の不安を覚える楓。
陣内は敵なのか味方なのか?それとも・・・!?

舞台は現代ですが主人公の職業は架空です。
これ、本当に実在したら世の中、怖いことになりそうですが近未来的にもとれるし
ちょっと興味深い所に目をつけたお話です。
さて内容ですが、謎解き部分もあり最後まで一気に読めます。
架空の職業とはいえ舞台は官庁ですからそれなりの人間関係を絡めた
BLらしい試練もあります。しかし負の部分を背負った主人公は決して屈せず前向きです。
この手の強い受男は好きだなー。
ちょっと強すぎて陣内の影が薄い?かと思いますが陣内のポジションが攻男の段階で
イコール正義。さらにイコール王子さまです。ここら辺は布石の範囲で分かる事かと(笑)。

主軸はもちろんBLですがいつも根底にはこの作家さん独自のメッセージが流れている
気がします。深読みし過ぎかも知れませんが〜。そこが鼻についたり励まされたり
人によって正反対の感じ方をすると思いますが私は決して嫌いではないです。

お堅い職業モノですが楽しめた一冊。
前作(5/22)の表紙がピンクで今回が黒。わかりやすいデザインでよろしいですなぁ(笑)。

★★★★
権力の花
榎田 尤利 新田 祐克
4813011047

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『ゆっくり走ろう』

榎田尤利 2004年 キャラ文庫

自動車メーカーに勤務の里見廣之(26歳)は営業指導の為、郊外の販売店に出向。
しかし反発を買って周囲から浮いてしまいます。無理難題を押し付けられた里見の唯一の味方は関東圏でトップ販売成績を誇る営業マンの立浪寛一(33歳)。
彼の笑顔に癒されて惹かれ始めた里見ですが・・・・。

出世のために上司に媚を売ったり、抜け駆けしたり。
自分の利益のために物事をすすめる事は多々あります。小さな会社でしたがそんな光景も
見てきましたし、人間ですから欲があるのは当たり前だと思います。
元気に働くBL本を読んでいると会社のために働き、自社製品に誇りを持っている――
なんて素晴らしい社員なんだ!と時々汚れた己の心に爽やかな清風を感じます・・・。
BL本読みのくせに恋愛云々よりもバックグランドの仕事に重点を置いてしまうのは
頑張る人を応援したい気持ちがあるからかも。
このお話、最初は慣れない職場で悩み頑張る里見に感情移入していましたが
よーく出来た攻男・立浪のお陰でHの突入も早く、もう一山欲しかった気がします。
後半、里見を狙う羽賀チーフの登場で乱れる9回裏の攻撃を予想していましたが
そうでもなかったですね(笑)。
この羽賀チーフが自分をアピールするシーンでふと、小倉千○子を思い出してしまいました。
焼き鳥屋の妻か、商社の妻か〜って話。こんな事思い出すなんてBL読み失格だーと
そっと自分に言ってみる・・・・。

★★★
ゆっくり走ろう
榎田 尤利 やまかみ 梨由
4199003169

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『ワーク・デイズ』

榎田尤利 2003年 シャイノベルズ  

吾妻&伊万里シリーズ4
名脇役キャラ王子沢恵(27歳)が主人公となるこの話、シリアスとコメディが
程よくミックスされていて今回も楽しめた一冊。

王子沢の勤める総合商社ナノ・ジャパンとタイの食品工場を巡って契約権を
競っている東西冷凍食品(通称トーレイ)。
そのトーレイに勤務する榊孝美(26歳)は女癖の悪い上司と共にバンコク行きの
機中で王子沢と出会います。
いつでも明るい王子沢が機内で榊に声をかけるシーンはナンパのノリで失笑ものです。
会話で笑わせてくれると思ったら、思わぬ所で暗い影が出てきたり〜
タイの陽気な喧騒に紛れることなく、キャラの影をきちんと書く所が
この作家さんの魅力かも。

王子沢のへらへら笑いに隠されたしたたかさは男前をあげ
榊の頑なまでの真面目さは不器用を醸し出し〜読者が萌える土壌作りは
相変わらず上手いです。
互いの心の流れは榊視線で書かれていたり、時には王子沢視線になったりと
わかり易く読みやすかったですね。

同じフィールドでライバル同士のリーマンBL。
この設定はリーマン好きには堪らない萌えだと思います。
やはり男同士は働き、ぶつかり合いながら恋をするべきだわ(笑)

★★★★★

ワークデイズ
榎田 尤利
4813010059

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