桃色の雲

BoysLove本を含む読書感想日記。 感想日記はネタバレ全開です。 BoysLove・やおい・耽美等の語彙に反応しない方はご注意下さい。

『夜来香』(イエライジャン)

久能千明 2000年 クリスタル文庫

祖父の形見の数珠を大伯母に届けることなった瀬能悠(大学生)。
幼馴染の棚橋明良(3つ年下)を道連れにして気の進まないお使いに出かけた悠は
体調の優れない大伯母と直接会えるまでの時間潰しに登った小山で道に迷ってしまい・・
そこで見たものは狂い咲く白木蓮と昏く燃える女の情念だった・・・。

背筋がちょぴり寒くなるこのお話。
悠と明良が山中、迷子になり比翼塚を発見したことがきっかけで餓鬼の道が開き
おどろおどろしい雰囲気になっていきます。
BLというより女性の怨念に取り入られてしまった幼馴染二人が幻想的な一夜を
過ごす物語でしょうか。白木蓮の咲く姿に女性の想いを重ねる夢うつつのシーンは
なかなか面白いです。

明良視線でみた同時収録「明良」(そのまんまのタイトルですね)の方がBL的には
萌えるかも。大型犬年下攻めで悠に対する熱い思いが伝わってきます。
更にもう一本「傾斜」は現在の二人のお話。これは〜・・・怨念により明良への思いが
解放され人生が狂っていく悠のお話。ある意味こっちの方が怖いです。
作者曰く耽美小説です。

★★★
夜来香(イエライシャン)
久能 千明
4415088007

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『ターニング・ポイント』

久能千明 2005年 角川書店

BL本は値段を見ないで買います。
パッとあらすじを斜め読みし、オビには惑わされたくないので無視(笑)。
しかし最近は色々な殺し文句があり無視出来ない時もあります。時には店頭で笑うことも。
イラストはたまーに気にしますが、この人の挿絵だったら買う!といった固執もなく〜
新規開拓する場合はレビューサイトを参考にしていますが、基本的には一人を深く追い
求める蠍座なので作家買いが多いです。あとは勘ですね。

そんな訳で作家買いの久能千明、新刊です。
『グレイ・ゾーン』の次は『ボーダー・ライン』ですが、これは片岡亜久利の相棒で
弁護士・由利潤一郎がメイン。
本日は一冊飛び越えて『ターニング・ポイント』の感想を。

うーん・・・・。
それなりに期待はしていましたが・・・・。
もろ前作『グレイ〜』の続きです。はじまりはあの事件から二ヶ月後。
例の麻薬を追いかける、元警視・片岡亜久利と相棒の弁護士。
そして亜久利を追いかけるのは現職警察官で彼の恋人でもある香坂譲。
麻薬の製造元締めは某有名財閥の御曹司でボディーガードは元SWAT出身者。
今回はこの他に香港マフィアが約一名、絡みます。
設定は派手ですが、簡単に言って亜久利をめぐる痴話喧嘩かと・・・。
突っ込みどころ満載なこの小説。
例えばですねー国際医療ボランティアに参加し中東で医者をやっている男が
実は香港マフィアで絹糸のような精神の持ち主?!
う〜ん・・・BL本といえども・・・もう少し・・・ハードボイルドと明記するなら
もーちょっと・・・・バックボーンをしっかりせい!と言いたい。
物語の山場は・・・前作の二番煎じかと思いました・・・。

どこかバランスが悪く、やはり今回も騙されなかったー。
無念。更に値段をみて驚いた!これからは気をつけないといかんなぁ(苦笑)〜。

ターニング・ポイント
久能 千明 蓮川 愛
4048736167

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『グレイ・ゾーン』

久能千明 2002年 角川書店

多種多様な職業に出会えるのもBL本を読む楽しみの一つであります。
なかでも刑事や私立探偵、やくざなど、女を寄せ付けない男だけの世界が
好まれるようですが、かといってバリバリ汗臭い体育会系BLは・・ありましたっけ?
昔々、花郎藤子で読んだような記憶が・・・。
まぁ、BLは女性向けファンタジーですからあくまでも“格好いい職業”がよろしいかと。

この本もそんな職業ものでハードカバー、二段打ち。重いです(笑)。
元警視で白系ロシア人の血が流れている片岡亜久利(28歳)と
現職刑事・香坂譲(23歳)がとある麻薬をめぐって繰り広げる物語。

ここに登場する警察組織は、実際にある職業にも関わらず、どこか空々しいのは――
ここに突っ込みを入れる事はタブーかも知れない(笑)――物語上のご都合主義が丸見えだからですね。
白系ロシア人で元警視!なる設定は格好良いと思うしキャラ萌えできる要素大ですが
登場人物の環境がどこかモノクロなんですよねー。
TVドラマでも映画でも警察ものは多く、そうした作り物を通して読者は何となく
その世界を知っている訳ですよ。“何となく”知っている環境ですから
いくらファンタジーとはいえあまりにも現実離れしているお話はついていけません〜。
これは個人の問題かも知れませんが・・・・。

騙されて萌えるか、騙されずに不発となるか、BL本読むなら萌えたい!
これ、私にとって大切な事であります。
騙される、その為にはある程度、物語にリアリティがないと感情移入が出来ないです〜。

オビの文句に“ハードボイルド・ボーイズラブ”と書かれていますが
香坂刑事があまりにも娼婦的“受”過ぎてしまい、ちょっと唸ってしまいます。
攻も受も男のにおいが漂うBLが好みの私にとって、この世界はちょっと違うかと〜。

王道踏んでいる話なんですが・・・作者に騙されず無念です。
それでも新刊は買っているという(笑)今度こそ萌えの一冊となるか?!
期待したいところです・・・。

★★★
グレイ・ゾーン
久能 千明
4048733958

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