桃色の雲

BoysLove本を含む読書感想日記。 感想日記はネタバレ全開です。 BoysLove・やおい・耽美等の語彙に反応しない方はご注意下さい。

ただ一人の男・3

火崎 勇 2007年 ショコラノベルス(心交社)

この本の後書きにも書かれているけど、近年火崎さんの中で“続き物”は珍しいですね。
このシリーズは今回で3冊目。
感情欠乏症とでも言いますか、感情機能にちょっと問題がある主人公・如月巳波(きさらぎ みなみ)と元極道の尾崎一雅(おざき かずまさ)がメインカップルとなるこのお話。
今回は如月が出向したバーでトラブルに巻き込まれます。
強い者(攻)に庇護されるお話は結構好きなんだけど、感情欠乏症の如月の性格が今回もつかみ難かったです。感情移入できればお話にのめり込めるけど、喜怒哀楽のふり幅が平坦すぎてよく分からんかった。
前作に比べればラブ度は高いです。
久々に火崎さんを読んだけどあっさりとした内容で「あり?こんな感覚の作家さんだったけか?」と思ってしまった。
BLに戻って来た当初は火崎さんばかり読んできたけど、多種多様な作家さんを知るようになるとやや物足りなさを感じてきましたねー。
Hシーンにしても刺激が少ないと言うか(笑)あっさり系とでも言いますか・・・。色々なお話が書ける器用な作家さんではあるけど「火崎さんに一体何があったの!!」とびっくりしちゃうハードでエロ全開なお話があっても良いかも知れないですね。ってか読んでみたいです。

ただ一人の男3
火崎 勇 亜樹良 のりかず
4778104129


PageTop

『ただ一人の男・2』

火崎勇 2006年 ショコラノベルズ

『ただ一人の男』の続編。
このお話は主人公・如月巳波(きさらぎ みなみ)の性格が特殊で
心理的要素がかなりの比重を占めているんだけど
今回はその心理的部分が難しくて〜少々分かりにくかったなぁ。
「1」では如月の自閉症っぽいところが攻・尾崎一雅(おざき かずまさ)によって開かれていく
過程が面白かったんだけど。
今回は好きという気持ちは何だろう?どうして好きなんだろう?みたいに理論的に進めていく
お話なので単純でお馬鹿なあたしには難解でございました〜。

ただ一人の男 2
火崎 勇 亜樹良 のりかず
4778102525

PageTop

『桜(はな)のように』

火崎勇 2003年 ショコラノベルス 

「きみは桜のようだな」――大学入学と同時に通い始めた料理教室で、向坂暉(さきさか・
ひかる)は一回り以上も年上の男性・石川雅嗣(いしかわ・まさつぐ)と出会い、そして恋に
落ちた。無骨だが穏やかで優しく、暉を桜のようだと言って愛してくれた石川。だがある日、
暉は石川が友人の父親だったことを知り、罪悪感からその恋を手放す。数年後、小さな
雑誌社に勤める暉の前にその友人が現れ、石川の再婚話を聞かされて・・・!?

親しい人を傷つけ、悲しませてしまう恋。
自分の幸せの影には誰かが泣いている、そう思ったら今、目の前にある幸せを
手放しで喜べますか?
そんな風に読み手に訴えかけてくるお話。数多くある火崎さんの本でも大好きな一冊で
同性愛をリアルに踏まえたなかなかの力作だと思います。

地味な雑誌社で働く向坂の今を、石川との馴れ初め、思い出を織り交ぜながら前半は
進んでいきます。好きなのにどうして別れてしまったのか、忘れたくても忘れられない
石川の面影を追う向坂。日常の中でふと石川の存在を回想するシーンは主人公視線で
書かれているだけに切ない思いが伝わってきます。

妻に先立たれた石川は一人息子と暮すリーマンですが何の職業かは不明です。
包丁もろくに握れず、深いため息と煙草が似合う無骨なおじ様。長年の疲れが蓄積し
いつも眉間に皺を寄せているような、この渋いおじ様具合が大変よろしいです。
向坂も薄幸とまではいきませんが性格も仕事も地味なところが良いですね。

仕事の関係で偶然石川の息子と再会したことにより物語は動き出します。
好きになった男は親子ほどの年の差があり、しかも友人の父親。
人を好きになる行為そのものは悪い事ではないのに、同性の恋愛は背負うものが
大きいです。二人の世界で終わることなく周りに及ぼす影響をも描き出した
リアリティが心にずんとくる一冊です。
多くを望まず一人の愛だけを求めるそんな二人のラブストーリーです。
作中に出てくる桜と梅の引用もじーんときました。

★★★★★
桜のように
火崎 勇
4883028739

PageTop

『寡黙に愛して』

火崎勇 2003年 キャラ文庫

借金が返済できなければビルを立ち退け!?
不動産会社の若き社長・宗像天章(むなかた・たかあき・28歳)に難題を突きつけ
られた有里早紀(ありさと・さき・20代前半)。祖母の残した家を手放したくない早紀は
借金返済の為、宗像の元で働く事に。仕事が出来て真面目な宗像に早紀は少しずつ
惹かれ始めて・・・。

さらりさらりと読めるお話でした。
登場人物は少ないですがみんな良い人です。(あの不動産屋は拉致しただけですから
いい人かと・笑)
主人公も真っ直ぐな性格で明るし。
火崎さんが作り出す少年の面影が残る、素直な受男君は好きですねー。

内容は裏・教育TV(真面目なんだけどHあり・笑)ですが物語に起伏がありますから
だるくならないです。

読了は100%フレッシュジュースを飲んだカンジです。
決してゲップが出る炭酸系ではありません(笑)。

★★★
寡黙に愛して
火崎 勇 北畠 あけ乃
4199002871

PageTop

『ただ一人の男』

火崎勇 2005年 ショコラノベルス

幼い頃のトラウマから、人間を『もの』としか見ることができなくなった如月巳波
(きさらぎ・みなみ・30代?)。そんな彼が悪夢で目覚めた朝に求めるものは同居人で
ある尾崎一雅(おざき・かずまさ・30代?)の肉体の熱だった。父から受け継いだ組を
解散し、今は不動産会社を経営する尾崎は成熟した男の魅力を全て持ち男女構わず
ベッドに連れ込む男。しかし巳波に対しては体を求めず、巳波も抱擁以上の事は
求めていなかったが、『人間』と認識してしまったあの事件から二人の関係に変化が
あらわれて・・・・!?

一人の男の「生」を認め、一人の男にだけ「性」を求める過程が主人公・巳波の
視線で書かれています。
人間を「もの」として捉えてしまう、壊れた心を持つ巳波。
生と死をきっかけにして巳波の欠けた感情に尾崎への想いが浸透し始めます。
前半、生か死か、人かモノかの振り分けがやや重く感じましたが
そこは尾崎の大人の魅力で程よく緩和されています。

尾崎はBL界によくいるデキる男。しかしH中にはデリカシーのない台詞も吐く
ワイルドな一面も。そんな男がどんな時でも巳波を優先し、愛情を注ぐのは
尾崎にとっても「ただ一人の男」が巳波であるからですねー。
リバで使える格好いいタイトルだとふと気がつきました。
作中に甘さは感じずアダルトなムードが良かった一冊です。

★★★★
ただ一人の男
火崎 勇 亜樹良 のりかず
477810143X

PageTop