桃色の雲

BoysLove本を含む読書感想日記。 感想日記はネタバレ全開です。 BoysLove・やおい・耽美等の語彙に反応しない方はご注意下さい。

『キスは白衣をぬいでから』

須藤直希 2001年 花丸文庫

大学病院でバリバリ第一線の外科医だった薙野一真(31歳)は倒れた父親の病院を
継ぐために郷里へ戻ってきました。今まで専門一筋だった薙野は老人相手の診療に戸惑うばかり。ついにはヤブ医者とウワサされる始末。
そんな時、大学病院の検査技師で別れた恋人・利根川環(26歳)が訪ねてきて・・・。

須藤ファンです、私。
とんと新作にお目に掛かれませんが一応現役BL作家さんです。

医者=金持ち・エリート・眼鏡・冷血・攻男なる図式が成り立ちそうなBL界ですが
そんな中、異色ともいえるのがこの本!
まず、舞台が田舎です。
新幹線と在来線を乗り継ぎ最寄りの駅から一日2本しかないバスに乗り、一時間近くの
峠登り。そこから更に歩いてようやくたどり着く山間部の田舎町。そんなどえらい田舎にある
唯一の医療機関が「薙野医院」。
父が倒れ医院を継いだのはK大卒で海外の専門誌に論文が載るほどの実力者、
循環器外科の薙野博士!
Hの最中でもお呼びが掛かれば治療かばんを持ち、自分で運転して行く若先生!
医者のステータスなど微塵もなくちょっとずぼらで優しくて世話をしてあげたくなるような
先生なんですー。この人、私の理想の攻男です!(ヤン・ウエンリーとかクラーク・デラウエアを理想の攻と思う方、反応して下さい・笑)

この本の何が凄いかって、仕事してるんですよー!
専門用語が飛び交いERみたいに緊張感もあり、現場さながらの雰囲気がびしびし
伝わります。医者のいい面、悪い面も映し出し、大学病院の派閥問題、過疎化が進む
田舎町での治療の実態、はては都会の病院との医療格差などなど
色々お勉強にもなります。

そしてポイントは医師と検査技師という関係です。
いくら腕の立つ立派な医者いても検査技師がいなければ手術が出来ず、どちらも
不可欠なこの存在関係。最初から仕事で結ばれています!
職場での会話もテンポ良くHつきのこのBL本。すでに絶版ですが医師免許が飾りでなく
ちゃんと仕事しているBL本が読みたい方は是非一読を〜!


★★★★★

PageTop

『エンドレス・ゲーム』

月村奎 2002年 ディアプラス文庫

14歳の時に母を亡くした天野誓史(18歳)は弁護士の佐伯慎一(3?歳)に
引き取られ一緒に生活しています。優しい佐伯は誓史の母が亡くなる間際、席を入れる
だけの結婚をして、行き場を失った誓史を迎えてくれました。以来、佐伯への想いを隠し
偽りに満ちた家族ごっこを4年間続けてきましたがあるきっかけで綻びをみせ・・・!?

義理の父と息子の物語で、父とはいえ佐伯は30代そこそこでまだ若く
しかもゲイだと息子にカミングアウトしているという寛大な父でもあります。
書類上は“父”ですが、ストーリー上は歳の離れた兄と弟感覚で家庭内では息子の方が
主導権を握っています。
引き取られる前から佐伯に想いを寄せていた誓史はこの生活を壊したくない為に
家族ゲームを演じている優等生。息子が優等生ならば義父も優秀でお互い胸の内を
隠しつつ家族から恋人になる関係を月村流に仕上げているのが表題作です。
攻男の格好良さをアピールする小道具もなくHシーンの途切れる台詞もありませんが
恋心のすれ違いをここまでせつなく上手く書ければ文句なしだと思います。

他に佐伯に頼まれ恋人役を演じていた櫻井守(24歳)のサイドストーリーが収録されていてこれがまたBL以上の奥行きがあります。
月村作品に受とか攻など俗っぽい単語は似合わない気がしますが(作者贔屓ですね・笑)
過去の中で立ち止まっていた櫻井を救出する年下攻めのお話でHシーンはありません。

失われたものが大きくて自分で軌道修正もせず日常を砂時計のように生きている櫻井ですが彼を取り巻くサイドキャラはそんな彼をこれが人生で人間なんだよと励ますでもなく
淡々と語ります。女友達が言った永遠の愛なんて嘘くさいの裏にあたる“安ピカの恋”
年下の紺野の死に対する積極的な肯定など少ない登場人物ですが台詞はどれも重く
心に沁みます。
この話は何度読み返しても目頭が熱くなります。
最初に読んだ時はぼたぼた涙が零れました。
この私がBL本で泣いた初めての小説かも知れない・・・。
櫻井が刹那的な恋と思いながらも紺野の手をとった東京駅でのラストシーン、やっぱり何度読んでも良いです。月村作品でも上位にランクインするほど好きな一冊です。

★★★★★
エンドレス・ゲーム
月村 奎
4403520634

PageTop

課長日記・7

ぷち・課長日記。

お洒落な課長は行きつけの美容院で散髪したらしい。
ふと『LinS』を思い出す。

・・・大丈夫だったかしら(笑)?



PageTop

『VIP』

高岡ミズミ 2005年 X文庫ホワイトハート

高級会員制クラブBLUE MOONでマネージャーとして勤める柚木和孝(24歳)が
雨になると必ず思い出してしまう男――その名は久遠彰允(32歳)。
17歳だった家出少年・和孝を拾い男の味を教えた広域指定暴力団の構成員でも
あります。ヤクザと知り和孝は久遠の元から逃げ出しますが7年後のある日、より魅力的になった久遠が現れて・・・・。

ルチル文庫がいまいちだったので少々戸惑いましたが、買ってよかった一冊です!

最強な男の“特別な存在(男)”を醸し出す話は好きです。
とある暴力団の若頭補佐と堅気の男。
一方的に弱みを握られて始まった関係ではないのでHシーンも屈辱的ではないし
身を挺して久遠を守る和孝はやくざよりも気性が激しい受男です。

側近や第三者の台詞により強き者の“特別”と思わせる手法は
BLではよくありますが、攻男がずばっと言うより胸がときめきますね。
自分の気持ちと久遠を試す為に逃亡し、湯治場で出会うシーンは2万人の構成員を
駆使しONLY YOUと言っている久遠告白そのもの。
職権使いまくりでいいわー(笑)。

激しく続編希望なんですが、秋の新刊で読めるかな?

★★★★★
VIP
高岡 ミズミ 佐々 成美
4062557932



PageTop

『ゆっくり走ろう』

榎田尤利 2004年 キャラ文庫

自動車メーカーに勤務の里見廣之(26歳)は営業指導の為、郊外の販売店に出向。
しかし反発を買って周囲から浮いてしまいます。無理難題を押し付けられた里見の唯一の味方は関東圏でトップ販売成績を誇る営業マンの立浪寛一(33歳)。
彼の笑顔に癒されて惹かれ始めた里見ですが・・・・。

出世のために上司に媚を売ったり、抜け駆けしたり。
自分の利益のために物事をすすめる事は多々あります。小さな会社でしたがそんな光景も
見てきましたし、人間ですから欲があるのは当たり前だと思います。
元気に働くBL本を読んでいると会社のために働き、自社製品に誇りを持っている――
なんて素晴らしい社員なんだ!と時々汚れた己の心に爽やかな清風を感じます・・・。
BL本読みのくせに恋愛云々よりもバックグランドの仕事に重点を置いてしまうのは
頑張る人を応援したい気持ちがあるからかも。
このお話、最初は慣れない職場で悩み頑張る里見に感情移入していましたが
よーく出来た攻男・立浪のお陰でHの突入も早く、もう一山欲しかった気がします。
後半、里見を狙う羽賀チーフの登場で乱れる9回裏の攻撃を予想していましたが
そうでもなかったですね(笑)。
この羽賀チーフが自分をアピールするシーンでふと、小倉千○子を思い出してしまいました。
焼き鳥屋の妻か、商社の妻か〜って話。こんな事思い出すなんてBL読み失格だーと
そっと自分に言ってみる・・・・。

★★★
ゆっくり走ろう
榎田 尤利 やまかみ 梨由
4199003169

PageTop

『今宵、雲の上のキッチンで』

ひちわゆか 2005年 ビーボーイノベルズ

小さなカフェ「ルフージュ」で働く久住新(20代後半?)は男殺しの笑顔の持ち主ですが
中身は毒舌家。近くに建つ高層ビルの最上階に住む会社社長・眞宮春臣(35歳)は
精悍で男前なのに好きな人には悪態をつく天の邪鬼。そんな二人が偶然に出会い
新は眞宮に正体を隠して毎日食事を届ける事になり・・・。

身分を偽り相手に近づき、本気になってしまったお話。逆人魚姫かな?
都会の高層マンションで相手の顔が識別出来ない、こんな暗闇が存在するの?という
突っ込みは置いといて(笑)。BLによくみられる“手料理”がこの本でも
重要なポイントかと思われます。
どんなに社会的地位が高くてお金持ちでも“愛”だけは唯一買えず
愛があるから手料理が作れる―といった図式でしょうか?
プラス隠し味として暗闇と仮面舞踏会。
意地っ張りと天の邪鬼の恋物語と言えばもっともBLらしいですが・・・。

『プラクティス』以来この作家さんの効果音付きHシーンが苦手で〜
今回もびくびくしながら読みましたが、この程度だったら大丈夫でした(ほっ)。

★★★
今宵、雲の上のキッチンで
ひちわ ゆか 紺野 けい子
4835216687

PageTop

『 ため息と微熱のはざまで』

遠野春日 2004年 リーフノベルズ

警部補・貴志憲秋(28歳)はかつての恋人であり同業者でもあった大澤武伸(31歳)と
取調室で向かい合います。刑事と殺人事件の容疑者として・・・。
のちに容疑を晴らした大澤は元敏腕刑事の勘から単独で犯人を追い始め
勝手な行動に憤りを覚えた貴志は彼に詰め寄りますが、逆に押さえ込まれて・・・。

法医学シリーズの最終巻。
殺人事件をメインに話は進んでいきますが、謎解きシーンや現場検証もなく
二時間ドラマの枠内で上手くまとめたお話です。
台詞が少なく作者が事件を解決しているので説明文っぽい箇所もあり
ゴージャス遠野節を楽しみたい方には不満かも知れませんね〜。

いつもの高慢性格も鼻につかないし元刑事である大澤の離婚に至る経歴、
貴志へのくすぶる思いがきちんと書かれているので違和感なく読めました。

エグゼクティブ攻もいいけれど、肉体勝負のガテン系BLもたまには
書いて欲しいかもーと思った一冊です。
ところで法医学助教授と副総監の関係はいかに?

★★★★
ため息と微熱のはざまで
遠野 春日 石原 理
4434044745

PageTop

『泥棒猫によろしく』

たけうちりうと 2005年 キャラ文庫

報酬は破格で、雇い主はデザイナーの二十六木隆嗣(32歳)。しかし過去、
誰も長続きしないこの清掃バイト。疑問を抱いてバイト先のマンション最上階へ向かった
高校生・姫坂尚(17歳)は茫然自失。部屋には塵一つなく雇い主の二十六木は
そっけない。その上、バイト初日は男同士のHを目撃するハメに!

ふむ。
どことなく哲学的と思ったのは私だけでしょうか?
無機質な二十六木と絵に描いたような幸せな家庭で育った姫坂。
相対するモチーフで何を伝えようとしているのだろう?とBLらしくない奥行きを感じ
いまいち掴めないまま前半の表題作を読了。後半は両思いになった二十六木と
姫坂のラブラブ話かなと思いきや、その手前のプレゼント攻撃から。
見返りを要求する為の正当攻撃。
見返りを望まない無償の愛が家族ならば、恋人から何かを貰う行為は有償になる〜
という事は理解できますが、更に今一歩深い所を掴めない物語でありました。
これは作家の筆力にやられたーと見るべき?それとも読解力のなさかしら?
文章は読みやすく好きなんだけど〜。

BLなる分野はHの濃さにより出版社も分類できるし、更にノベルズなら黒とかアイとか
スラッシュとか、今読者が求めている本(またはH)がわかり易くある意味とても親切な
分野かと思います。
この作家ならここの出版社と個人で成り立つ図式もあり、色々な出版社で書かれている
作家さんはそれぞれの企業カラーに沿い仕事をするから大変だなぁーと思うこともしばしば。
最近は文庫本でもハードな内容の出版社もお見受けしますが
そこは回避している私です。小心者なので捲った途端、激しいHに見舞われ
こ、この作家パス〜と一冊で投げ出すよりもまずは安全圏と思われる文庫本で
慣れ親しみ、二冊目あたりからノベルズなりワンランク上(笑)の文庫本に
手を出す戦法をとっております。

そんな訳でこの作家の次に行ってみたいと思います(笑)。

★★★
泥棒猫によろしく
たけうち りうと 史堂櫂
4199003363

PageTop

『慰安旅行に連れてって』

烏城あきら 2004年 二見シャレード文庫

喜見津化学五年に一度のビックイベント、慰安旅行の幹事を任された阿久津弘だが
工場排水の水質悪化というアクシデントに見舞われ、大学の通信課程を受けるよう
前原健一郎を説得して欲しいと会社から頼まれてしまいます。
しかし前原が漏らした一言がきっかけで弘は寝ない宣言をし・・・!?

ビバ工場ライフ!第二段!
今回もあちこち駆けずり回り仕事にHに頑張る阿久津と前原を堪能でき、
満足な一冊となりました。
慰安旅行前に発覚した水質悪化問題で業務停止を避けるべく工場を奔走する二人が
気まずくなりながらもお互いを気にしているシーンが良いですねー。
慰安旅行でも見事に別コースとなった二人ですが、慰安旅行といえば温泉。
温泉といえば浴衣!読者を裏切らないこの展開!ちょっとご都合主義だけど〜(苦笑)
引っ張って引っ張ったHですから良しとしよう!

前回もむむ〜と思いましたが、この阿久津は自分から誘えないウブな一面を持ちつつも
その気になったら魔性の受か?と思えるほど切り替えが早いです(笑)。
だからHも濃い?!

攻も受も同じ視線で肩を並べ切磋琢磨しているBLです。
このシリーズ好きだな〜。

★★★★★
慰安旅行に連れてって!―許可証をください!(2)
烏城 あきら 文月 あつよ
4576040820

PageTop

課長日記・6

課長の名誉の為に(笑)。

先日、退職した身で現在の課長をお伝えする事が出来なくなりましたが
思い出も兼ね、課長と過ごした日々をつらつらと。

そんなカンジで本日は課長のファッションについて語りたいと思います。

オタクオヤジ全開のコメントでなかには引いている方もいっらしゃるかと思いますが
課長の容姿は至って普通です。
中肉中背でいまどきの眼鏡(ヨン様眼鏡ではありません・笑)をかけ、ノートPCが入る黒いバックを肩からかけ内股でちまちま歩き、ではなくオタクとは思えないほど威風堂々と胸を張り社内を闊歩していました。
人って見かけでは判らぬものだな、と大切な事を会社で学んだような気がします・・・。

さて服装の方ですが、たまーに黒いシャツに鮭色(切り身)のネクタイをしめ
一瞬ぎょっとした事もありましたが、あ!レモンイエローのネクタイって時もありましたね〜
どちらもとてもよく似合っておりました。さすがヲタ課長!
カラーコーディネイトはコスプレの成果ですね!
カジュアルな時はスラックスに尻尾をつけてたっけ?
スラックスの下に網タイツでしたっけ?あ?これは極秘でしたっけ?
まぁとにかく(笑)
某電○男のような格好ではなく中身を知らなければフツウのサラリーマンです。
たぶんこのようなフツウを装ったオタクが一番くせ者かと思われます。

お互い気をつけましょうね、課長!

PageTop

『許可証をください!』

烏城あきら 2003年 二見シャレード文庫

中小化学薬品製造業・喜美津化学の品証部に勤務する阿久津弘(25歳)は
四大理系卒のホープとして期待されている身。そんな弘が社命でフォークリフトの免許を
取ることになり、指導係として遣わされてきたのは製造部の若頭・前原健一郎(25歳)。
同僚からの信頼も厚く独特の迫力と風格を持ったこの男に弘は過去の出来事がきっかけで
苦手意識を持っていましたが、意外にも前原の方は・・・。

いやーこれ当たり本です!
裏表紙にガテン系とあり、道路工事とか日雇い労働者などいかにも汗臭い肉体労働を
想像してしまいすが、これはそちらではなく二十四時間営業で四直三交代制の工場ですよ
工場!車や鉄鋼などの製造業そのもので女っ気がなくしかも作業着姿でオヤジ度が
高い世界です。
社会人ネタだとネクタイを解く楽しみが多数を占める中で作業着を脱がすBLも
なかなかではないですか〜!

受、攻共にしっかりと男で自分の為に戦い、Hもしつつ(笑)
私欲に走らず会社発展の為に業務に励み、互いに必要とし合い二人三脚で仕事をする――現実では難しいけれど――工場の説明から現場の空気、クレーム処理まで内容的に
浮世離れしていない所が前向きな社員二人を引き立てます。
仕事上出来、Hもイケる!BLに求める働く男達の理想がこの本にはあります!

★★★★★
許可証をください!
烏城 あきら
4576032003

PageTop

『LinS』

烏城あきら 2003年 二見シャレード文庫

商社勤務の宗方惇(26歳)は女友達の勧めでヘアスタイルを変えることに。
紹介された美容院の店長・石蕗恭輔(23歳)のシャンプーテクニックに快感を
覚えてしまいます。イメチェンの評判も良く店に通い始めますが・・・。

代表作を読む前に足馴らしを、と思い買った一冊。

前半は石蕗があらゆる手を駆使し一目惚れをした宗方を口説き落とすお話で
後半は石蕗の過去を絡めた事件が起こり、同じ町内会のホモカップルも活躍し
どことなくアットホームな雰囲気が漂うお話でした。

美容師モノは他の作家でも読みましたが(漫画では床屋もあったな)
シャンプーって実はいやらしいんだーと思わせたのはこの作家がはじめてです(笑)。
石蕗の下手に出て宗方の様子を伺う、ずるい攻め男の行動は確信犯的で
読み手もどきどきします。馴れ合ってしまうとただの年下の男の子なんですが(苦笑)。

美容師にはそっち系が多いと聞きますがアパレル業界にもいますね(笑)。
私は少なくとも3人は知っている・・・。

この作家さん、もしかしてオヤジ好き?と思ったほど伊勢屋のカップルに愛情を感じました。
メインの二人よりも気になったりして〜。
次の「許可証」も期待できそう。

★★★★
LinS 二見シャレード文庫
烏城 あきら
4576030388

PageTop

『エゴイストの純愛』

遠野春日 2005年 BE−BOYスラッシュノベルズ

敬愛する俳優・安池俊のマネージャーを努める花本行彦(25歳)。
低迷気味の安池に舞い込んだ久々に大きな仕事――それを勝ち取る条件は
大手スポンサー企画のエリート御曹司・松八重大介(28歳)に行彦の身体を
差し出すことでした・・・。

いきなりですが遠野春日で好きなシリーズは「法医学」シリーズ(リーフ)と
「摩天楼」シリーズ(ビブロス)のスピンオフ「告白は花束に託して」。
大人気の「情熱」シリーズ(ムービック)も好きですが詳しい感想はしばし沈黙(笑)。

この本はスラッシュノベルズなのでH先行型物語。
Hが目の前にあってそこに向かって話しを作り上げるかんじでしょうか?
男同士のねっとりとした恋愛過程を読みたい私にとってこの手の本は選択ミスかと・・・。

それにしても“スラッシュ”にしては濃厚なHシーンもなく題名ほどエゴイストも
純愛も現れていないかと思います。この本以外でも遠野キャラはいつもどこかで
エゴイスト攻男なのであまり新鮮味がありませんでした〜。
韓国俳優名が出てきたのには驚きました!
砂漠モノの次はBL界に韓流旋風(笑)?

エゴイストの純愛
遠野 春日 高宮 東
4835217519

PageTop

退職記念にテンプレ変更。
色々いじりたいけれど・・・よくわからず。

暫くはハローワーク生活。
この余った時間で未読のBL山脈を崩したいです。

PageTop

課長日記・5

この度、野村は一身上の理由で会社を辞めました。

この機会に我がヲタ課長にBL本ダンボール一箱贈呈したかったけれど
会社に送っても自宅に送っても保管場所に困るだろうからやめました。
夏の祭典かJ庭で手渡しするかー。

思い返せば課長がオタクらしいと耳にしたのは・・・いつの頃だったか〜? 
耳と尻尾が好きだと聞いてから?それともア○スソフトを知っていたから〜?
思い出せないほど馴染んでしまったのでリアルで会えないのは残念ですが、
会社のヲタ部長、いやヲタ役員を目指して頑張って欲しいです。

こちらではBL本の感想をお待ちしております(笑)。
読み終わったら夏前に郵送しますわよ。

PageTop

『赤と黒の衝動』

春原いずみ 2005年 キャラ文庫

野添智史は牡丹の新種育成を研究する大学4回生。
野添牡丹園の長男でもあり高校時代に新品種作出に成功した早熟の天才でもあります。
そんな彼に目をつけていたのが同じ大学生で新進気鋭の華道家・齋木凌。
密かに研究に行き詰っていた智史は齋木の力強い作品に魅せられ
刺激されていきます・・・。

ちょっと世間に疎い牡丹姫を二人の格好良い王子さまが奪い合うお話。
王子さまの一人は齋木。もう一人、大人の王子は花月流の次期家元・望月。
この二人はハブとマングースの仲ですが奪い合うバトルにどろどろ感はなく
ふんわりと書かれています。
個人的にはもう一歩、踏み込んで欲しかったところです。
キャラや文章にこの作家さんの優しさがにじみ出ているお話でした。

島根県八束町(実在します)の通称大根島での牡丹が咲き乱れる風景は
実際に訪れてみたいかも。

次回は出版社を選んでこの作家さんに再度チャレンジ!です。

赤と黒の衝動
春原 いずみ 夏乃 あゆみ
4199003517

PageTop

課長日記・4

課長と私は某企業で働く会社員であります。

通常業務の時はフツーの顔をしてフツーに働いていますが
課長の部屋に一歩踏み入れた途端(課長は偉いので個室がある)
どこかでガラスの仮面が壊れる音・・・。

ヲタ顔全開の二人が言いたい放題、伏字なしでぎゃーぎゃー騒いでいるこの光景。
傍から見たら不気味な二人。
話す声も大きいので通りすがりの社員に聞かれているかも知れないけれど
まぁ気にしない気にしない。
しかし隣は社長室。
これは気にした方がいいかもしれない・・・。

今日は例のブツを受取りに課長部屋へ。
いつもありがとうございます。
しかと受け取りました(礼)!

PageTop

『B.L.T』

木原音瀬 2002年 BE−BOYノベルズ

榎田尤利 烏城あきら 木原音瀬(敬称略)
レビューサイトでよく見かけるのがこの三人。
榎田尤利は小説JUNEで読んでいたからいいとして、あとの二人は何者だろう?
知らない作家の第一歩はビブロスからと勝手に決めつけ、手に取った本がこれ『B.L.T』。
今日はその感想を。(烏城あきらはビブロスになかったのでまたの機会に。)

まずは読み終えた第一声。
うわ――。
これ――昔のJUNEっぽくって好きだ!!
新しいけど懐かしいってやつです。

会社員でホモの大宮雄介(28歳)は電車の中で中学生の北澤眞人(14歳)に
痴漢行為をしたものの逆にカツアゲされてしまうという何とも情けない男。
なすがままに昼を奢り自分の部屋まで提供するのは、惚れた弱みと惚れられた強みか?
粘着質な愛し方をする大宮や北澤の生活環境を見せられ
人を好きになる事は、相手の全てを許す事なの――?と考えてしまう物語です。
これが前半『ライン』の感想。

その5年後に再会した物語が『B.L.T』。
本屋の店長となった大宮の下にアルバイトで働く北澤。
大宮には同棲している男がいますが、5年の月日を経ても尚、北澤を思う気持ちに
変わりはなく、自分の人生を狂わせた年下の少年を何故そこまで好きなんだ―と
いつの間にか木原ワールドに入り込んでいた自分がいました。
この大宮なる男。
BL本によくある金持ちイケメン攻男ではなく、日常生活の電車の中、出勤中の通り道、
あるいは本屋にいそうな普通の男。
ここまで人間臭い攻男をちくちくと書くこの作家――すごいかも・・・。
やばい!ハマりそう・・・。

★★★★★
B.L.T
木原 音瀬
4835213041

PageTop

『はつこいの死霊』

草間さかえ 2004年 マーブルコミックス(東京漫画社)

独特な雰囲気をもつ漫画家。
少女漫画系の華やかな画風でもなければBL漫画の格好良さもありません。
メロドラマ仕立てでもなくHシーンにムードもありませんが
描くところはしっかり描いているので本物系漫画かも。

「全ての不幸の元は初恋の祟り」(=失恋した本人が不幸になるのではなく
振った相手が好かれていた分だけ呪われる)という信憑性がありそうでなさそうな〜
面白いところに話を見出した漫画です。

義母の浮気に嫌気がさしていた三峰智(当時高校生)はアパートの隣人である
菅谷裕一(当時大学生)と仲良くなります。
突然に三峰のファーストキスを奪う菅谷。
実はこの菅谷さん。お隣の義母の浮気相手でもあり、結構なくせ者でこの話では
攻だと思っていました。年上だし。

その数年後。はつこいの死霊は“でる”と噂がある土地で彼らの再会を導きます。
埋蔵文化財センター勤務の三峰とその土地に目をつけた建設会社で働く菅谷。
人のよさそうなサラリーマンになった菅谷はかつてお隣の奥さんといけない仲で
あったようには見えず、三峰の方が一癖ありそうな風体。
ここから攻と受が逆転。
最初の思い込みでBL本は読んではいけませんなー(笑)。
家庭を壊された復讐の為に体を強制されたと、菅谷の思い込みは外れ
実は二人とも“はつこいの呪い”から抜け出せずにいただけ。
この漫画家が描く恋物語は特徴的なコマ割効果も相俟って
BL本というよりどこか神保町の古い本屋が似合いそうな漫画です。

そしてこの菅谷さん、天然受ぽくって憎めないキャラ。
カバーを外した表紙にもおまけ漫画がついています。
裏にもありますのでお忘れなく〜。

★★★★
はつこいの死霊
草間 さかえ
4902671085

PageTop

課長日記・3

本日、帰路に課長と一緒になる。
読んでるよとおもむろに鞄から取り出したのは松岡なつき。
ほ、本当に読んでる〜!と驚いた私。
時々挿絵がきわどくて困るとぼやいていたけれど・・・
通勤時間にノートPC持ち込んで○○ゲーしている課長には言われたくないなぁ〜(笑)。
BL本の挿絵なんて課長のゲームに比べたらお子様でしょう?

そうそう、課長さん。
ご自分の事を「ぼくちゃん」と言うのはお止めなさいって。
本物と間違えられますよー。
え?やっぱり本物だったとか(笑)?
ここでカミングアウトしてどーするよ?

ところでもう読み終わりましたか?

PageTop

『梨園の貴公子』

ふゆの仁子 2004年 BE-BOYノベルズ

歌舞伎界の名門の御曹司・常磐宗七郎(26歳)は襲名披露を前にカメラマンの
尾上浅葱(32歳)に写真集の企画を持ち込みます。強引な企画話に反感を持ちつつも
宗七郎の演技に魅せられ惹きつけられていく浅葱――。

年下攻めで男のプライドが匂い立つお話。
歌舞伎俳優と美貌のカメラマン。これは珍しいカップリングかも。

「色悪」とは歌舞伎の役柄の一つで、外見は二枚目で性悪の男のことを指すそうです。
なるほど。
これは一見、宗七郎と浅葱にぴったりの言葉ですが、(他に浅葱の師匠も該当しますが
ここでは省略)惚れた相手にはわが身を挺して守ってしまうところなど
性悪になりきれない男たちの物語でもあると思います。

すぱすぱと歯切れのよい文体には余計な装飾もなく、進行も早いですが何か
物足りない気もします・・・・。
挿絵にこだわりはありませんが、宗七郎のスーツ姿には萌えました。
これは必見でしょう(笑)。

★★★
梨園の貴公子
ふゆの 仁子 円陣 闇丸
4835216393

PageTop

課長日記・2

本日、課長に渡したBL本。

吉田ナツ『ダブル・ベッド』
松岡なつき『NOといえなくて』

帰りがけに問答無用でBL本を突きつける。
笑いながら受け取ってくれた課長。
なんて心が広い人なんだーその笑顔が眩しぞ(笑)。

課長なる人物は推定年齢30代後半(笑)?で本物の男性。
若かりし頃、サ○出版に出入りしていたというアヤシイ経歴を持ち
社内で唯一BLに近い男。
自作PCと秋葉原を深く愛するゲーマーで野村の貴重なヲタ友達。

課長(花鳥の方が良いですか?)の率直なBL本感想お待ちしております。
出来れば受視線で(笑)。

冗談ですってば〜。

PageTop

『約束』

うえだ真由 2002年 アイスノベルズ

一つ屋根の下で暮らす義兄弟のお話。
建築事務所に勤める市井敦広(32歳)は交通事故で妻を亡くし
義弟・鹿野拓己(21歳)と二人暮らし。ある日、近所の世話焼きおばさんが
再婚話を持ち込んだ事から穏やかな生活に変化が訪れます。

姉の夫と妻の弟。
血の繋がりがない家族、兄弟ものはBL本によくある話ですが
作家さんにより味付けが異なり、私の好きな分野でもあります。

このお話はいつか独立しなければ-----けれどもう少しこのままでいたい----と
先に延ばしていた問題が再婚話をきっかけに浮上し
拓己の義兄への想い、“妻の弟”からもっと深い何かに気づき始めた敦広の気持ちが
読み手を切なくさせBLへ引き込む一冊。
文中にも触れてありますが拓己が弟でなく妹だったら、フツウに男女の問題として
終わってしまいます。
しかしそこはBL。
ここまで話を引っ張れるのも男同士だから、ですね。

甘くなり過ぎず、日常生活を踏まえている話は好きです。

★★★★★
約束
うえだ 真由
4872789563

PageTop

『ターニング・ポイント』

久能千明 2005年 角川書店

BL本は値段を見ないで買います。
パッとあらすじを斜め読みし、オビには惑わされたくないので無視(笑)。
しかし最近は色々な殺し文句があり無視出来ない時もあります。時には店頭で笑うことも。
イラストはたまーに気にしますが、この人の挿絵だったら買う!といった固執もなく〜
新規開拓する場合はレビューサイトを参考にしていますが、基本的には一人を深く追い
求める蠍座なので作家買いが多いです。あとは勘ですね。

そんな訳で作家買いの久能千明、新刊です。
『グレイ・ゾーン』の次は『ボーダー・ライン』ですが、これは片岡亜久利の相棒で
弁護士・由利潤一郎がメイン。
本日は一冊飛び越えて『ターニング・ポイント』の感想を。

うーん・・・・。
それなりに期待はしていましたが・・・・。
もろ前作『グレイ〜』の続きです。はじまりはあの事件から二ヶ月後。
例の麻薬を追いかける、元警視・片岡亜久利と相棒の弁護士。
そして亜久利を追いかけるのは現職警察官で彼の恋人でもある香坂譲。
麻薬の製造元締めは某有名財閥の御曹司でボディーガードは元SWAT出身者。
今回はこの他に香港マフィアが約一名、絡みます。
設定は派手ですが、簡単に言って亜久利をめぐる痴話喧嘩かと・・・。
突っ込みどころ満載なこの小説。
例えばですねー国際医療ボランティアに参加し中東で医者をやっている男が
実は香港マフィアで絹糸のような精神の持ち主?!
う〜ん・・・BL本といえども・・・もう少し・・・ハードボイルドと明記するなら
もーちょっと・・・・バックボーンをしっかりせい!と言いたい。
物語の山場は・・・前作の二番煎じかと思いました・・・。

どこかバランスが悪く、やはり今回も騙されなかったー。
無念。更に値段をみて驚いた!これからは気をつけないといかんなぁ(苦笑)〜。

ターニング・ポイント
久能 千明 蓮川 愛
4048736167

PageTop

『課長日記』

私信です。
『課長日記』というBL本感想ではありませんのでご注意下さい。

PageTop

『グレイ・ゾーン』

久能千明 2002年 角川書店

多種多様な職業に出会えるのもBL本を読む楽しみの一つであります。
なかでも刑事や私立探偵、やくざなど、女を寄せ付けない男だけの世界が
好まれるようですが、かといってバリバリ汗臭い体育会系BLは・・ありましたっけ?
昔々、花郎藤子で読んだような記憶が・・・。
まぁ、BLは女性向けファンタジーですからあくまでも“格好いい職業”がよろしいかと。

この本もそんな職業ものでハードカバー、二段打ち。重いです(笑)。
元警視で白系ロシア人の血が流れている片岡亜久利(28歳)と
現職刑事・香坂譲(23歳)がとある麻薬をめぐって繰り広げる物語。

ここに登場する警察組織は、実際にある職業にも関わらず、どこか空々しいのは――
ここに突っ込みを入れる事はタブーかも知れない(笑)――物語上のご都合主義が丸見えだからですね。
白系ロシア人で元警視!なる設定は格好良いと思うしキャラ萌えできる要素大ですが
登場人物の環境がどこかモノクロなんですよねー。
TVドラマでも映画でも警察ものは多く、そうした作り物を通して読者は何となく
その世界を知っている訳ですよ。“何となく”知っている環境ですから
いくらファンタジーとはいえあまりにも現実離れしているお話はついていけません〜。
これは個人の問題かも知れませんが・・・・。

騙されて萌えるか、騙されずに不発となるか、BL本読むなら萌えたい!
これ、私にとって大切な事であります。
騙される、その為にはある程度、物語にリアリティがないと感情移入が出来ないです〜。

オビの文句に“ハードボイルド・ボーイズラブ”と書かれていますが
香坂刑事があまりにも娼婦的“受”過ぎてしまい、ちょっと唸ってしまいます。
攻も受も男のにおいが漂うBLが好みの私にとって、この世界はちょっと違うかと〜。

王道踏んでいる話なんですが・・・作者に騙されず無念です。
それでも新刊は買っているという(笑)今度こそ萌えの一冊となるか?!
期待したいところです・・・。

★★★
グレイ・ゾーン
久能 千明
4048733958

PageTop